ラブを迎える為のガイド

ラブラドールを迎える為のガイド

注:アメリカのナショナルラブラドールレトリバークラブ発行の会報「Labrador Connection」の記事を作者のご好意により翻訳・転載しております。AKC(アメリカケネルクラブ)等の言葉が多く出てきます。

ラブラドールレトリバーを買うことを考えているのですか?

あなたは素晴らしい犬種を選ばれましたね。決心をする前に、いつくか自分自身に質問をしてみてください。あなはた最初に会う子犬を衝動的に買ってしまうことは避けられますか?引っ越し、子供の誕生、あるいは子供が大学に行くようになるなど生活が変化しても、この先10年から15年の間その犬に愛情を注いであげられますか?犬に対する全責任を子供がまかなうことはできません。少なくとも監視したりする大人の存在が必要です。そしてそのことは慎重に考えて下さい。犬の世話は簡単ではありません。喜ばしい仲間としてラブラドールを訓練(しつけ)することは非常にたくさんの時間と忍耐を必要とします。ラブラドールは自分で勝手にマナーのよい犬になるのではありません。彼らは生涯にわたってたくさんの愛情と訓練(しつけ)が必要です。彼らは行動派で社会的な動物ですが、庭につながれて放っておかれればそうではなくなります。噛んだり掘ったりするラブラドールは破壊的に違いありません。

あなたは子犬にふさわしい環境をお持ちでしょうか?また子犬のいろいろな失敗につきあってもいいと思っていますか?

忘れてはならないのは、ラブラドールはたいてい3歳になるまでは完全に成熟しないことです。ですから長い間子犬の時期があるということです。あなたは必要なケア、すなわち品質の高いフードや生活用品、毎年の狂犬病予防接種、フィラリアの検査と投薬、そして去勢&避妊にかかる費用をまかなってもいいと思っていますか?あなたの選んだブリーダーから健全な子犬を譲ってもらうのに時間がかかってもかまわないと思えますか?どうか、あなたに相応しい子犬を見つけることは、待つ価値のあることだということを忘れないで下さい。

責任あるブリーダーからきちんと繁殖された犬を買って下さい。

責任あるブリーダーは健康で、素晴らしい性格のラブラドールらしいラブラドールをブリーディングすることを念頭に置いています。特売になった犬やペットショップから子犬を買わないで下さい。こうした犬は質の低いブリーディングから生まれてきていることがあり、社会化も不十分な劣悪の状態に長く置かれ、場合によっては責任あるブリーダーから買う子犬の値段よりも高いことがあります。責任あるブリーダーは深刻な問題、つまり攻撃的またはシャイな性格、遺伝性の健康上の欠陥、つまり股関節や肘関節の形成不全、あるいは遺伝性の眼疾患によりおこる早期の失明などを含んだ問題を避けようとできる限りの努力をしています。「AKCの血統書」が犬の質を証明するものではないことを忘れないで下さい。血統書はただその犬の両親がAKCに登録されていることを示しているだけにすぎません。

私にとって本当に相応しいのは子犬なのでしょうか?


もしもあなたに子犬の社会化訓練やハウストレーニング、またオビーディアンスの訓練をするだけの時間や腕前がないとしたら、もっと年齢のいった犬がよりよい選択かもしれません。成熟したラブラドールは普通、新しい家になじむのがとてもうまく、とても深いきずなを結ぶことができるのです。ラブラドールの保護団体を調査してみてください。あるいは成犬の新しい飼い主を探している責任あるブリーダーを当たってみて下さい。

責任のあるブリーダーはどうすればわかりますか?

63114162529qz4.jpg子犬の育った環境は大切です。こういうブリーダーを探して下さい。

☆ 犬種についての知識が豊富であるブリーダー。多くの責任あるブリーダーは自分たちのブリーディングのプログラムの成果をコンフォメーションのドックショーや、オビーディアンスの競技会、あるいはハントテストに参加することにより、継続的にテストしています。

☆ 子犬を育てるための知識が豊富なブリーダー。その子犬がいくら遺伝性の性格的な問題がなくても、十分に社会化の訓練(しつけ)がなされていなかったり、7週令になる前に母犬や同胎犬と離れていたなら、問題行動をおこすかもしれません。ブリーダーによってなされている社会化とは、以下のことを含んでいます。それぞれの子犬がしょっちゅう人間の愛情に触れている、よく手で触られている、そしていろいろな音や経験に慣らされていることです。

☆ そのブリーダーは子犬が出来るかぎり健康でいるように取り計らっています。子犬が新しい家に行く前に、寄生虫の駆除したり、寄生虫をチェックしますし、最初の注射を受けさせます。


☆ そのブリーダーは子犬に遺伝的な欠陥が現れないように取り計らっています。両親ともに少なくとも以下の登録機関のひとつからは股関節の証明を受け取っていなくてはなりません。OFA(Orthopedic Foundation For Animals),PennHIP,Wind-Morganあるいは海外の関節に関する登録機関によって。多くのブリーダーは股関節と同様に肘関節もチェックしています。そして両親ともに最新のアイチェックの証明も持っています。その証明は獣眼科医としてアメリカの大学の資格(ACVO)を持つ獣医や海外の眼疾患登録機関から発行されたものです。

注:この記事が書かれた当初とは違い、現在では日本で取り組める健康のクリアランスの選択肢は広がっています。股関節と肘関節の検査はJAHD(日本動物遺伝病ネットワーク:http://www.jahd.org/)での審査が容易です。また国内ではACVOの資格を持つ獣医眼科医による検査はまれですが可能ですし、今後大いに活用して頂きたいと思うものに、GTG(オーストラリアの検査機関:http://www.gtg.com.au/)での遺伝子検査があります。)


健康のクリアランスについてきちんと尋ねて下さい。責任あるブリーダーはそのことについてあなたに喜んで話すでしょうし、その両親犬のラインに起こるかもしれない疾患についてきちんと話し合ってくれるはずです。健康のクリアランスなんか必要ないというブリーダーは避けて下さい。彼らの理由は、自分たちの犬に今まで問題がなかったことや「獣医が大丈夫だって言っているから」というものです。両親犬のクリアランスは子犬が絶対に疾患にかからないというものではありませんが、両親犬がクリアランスを取得しているということは、健康な子犬を飼う可能性がずっと高まるということを忘れないで下さい。

* そのブリーダーは、自分の牝犬をシーズンごとに交配させません。これは牝犬にとってものすごく負担のかかることであり、そのような交配をさせることは、ブリーダーの一番の関心が利益にあることを示唆しているかもしれません。

* そのブリーダーは慎重にブリーディングを選択しています。どうして特にこの牡を選んで交配したのか尋ねて下さい。その答えは考え抜かれていて、知識にあふれたものであるはずです。「その牡が近くに住んでいたから」とか「だって素敵な牡でしょう」といった返答は普通、両親犬よりももっと優れた子犬を生み出すこと(全ての責任あるブリーダーの目標)を目的としたブリーディングを示してはいないでしょう。質の高いブリーディングの一つの例として、血統の最初から2〜3代祖の多くの犬がタイトルを持っていること(注:CH,OTCH,FC,CD,JH,WCなどが犬の名前の前や後ろについている)があるでしょう。もしもそのタイトルがだいぶ離れた祖先にだけあったり、血統の中に2〜3頭しか見当たらなかったら、あまり意味はないでしょう。

DSCF0753.JPG全ての繁殖にブリーダーとしての理由があります。
* そのブリーダーは、子犬の両親犬に会せてくれるでしょう。牝犬はもしかしたらとても遠くに住んでいるスタッドドックのもとに送られたのかもしれませんが、ブリーダーは牡犬の写真を見せてくれるでしょうし、彼についての質問にも答えてくれるでしょう。

* そのブリーダーは子犬の性格を判断し、あなたのライフスタイルに最も相応しい子犬を選ぶ手伝いをするでしょう。とっても活動的な子犬は落ち着いた環境には合わないでしょうし、また静かな(quiet)子犬は騒がしい子供達のいるにぎやかな家庭では圧倒されてしまうでしょう。多くのブリーダーはきちんと繁殖をしていて、牝のあるいは牡のラインを受け継ぐ子犬であるからこそ、選択をすることができることを覚えておいてください。ですから、子犬が6-7週令になり、選択ができるようになる迄あなたは待たなくてはならないでしょう。それからは、どの子があなたに最もふさわしいかを判断するお手伝いをしてくれます。そうしたブリーダーはその子犬達と充実した長い時間を過ごしてきたのですから、どの子犬が一番相応しいかわかるので、ブリーダーのアドバイスは貴重なのです。

* そのブリーダーはいつでもあなたが迎えた犬を飼い続ける事が出来なくなったとき、犬を引き取りたいと思っています。責任あるブリーダーは自分が繁殖した犬が犬の収容施設に行くことになったり、理想的な環境とは思えない家庭に行くことを決して望んではいません。

* そのブリーダーはあなたがとても感じがいいと感じる人です。あなたはラブラドールについてはエキスパートではないかもしれませんが、人間についてご存知だと思います。あなたの直感を働かせて下さい。そのブリーダーは犬の一生の間に様々な疑問に答えてくれるはずですから、とても長い間おつきあいがあるわけです。その人を信頼できないなら、そこから犬を買ってはいけません。

* そのブリーダーは子犬と一緒に相応しい書類を渡してくれるでしょう。血統の登録用紙、血統書(注:アメリカではAKCに登録するために登録用紙が必要)そして健康の記録などです。

* そのブリーダーは、あなたがその子犬とこれからどうしていきたいかという計画について関心があります。とくに、あなたがブリーディングを考えている場合には。多くの責任あるブリーダーは、ペットとして譲渡する子犬には去勢&避妊を義務づけた誓約書をつけるか、あるいは制限登録(注:Limited Registration=その犬の子孫は血統登録されない制限がつく)をつけます。これは良いことで、ブリーダーが特に選ばれた犬だけを繁殖していくことを保証し、犬種について十分に配慮することになります。

そうしたブリーダーの中には、そうして譲渡した犬でも全てのクリアランスを取り、十分に成熟したあとで、制限登録から正式な登録(Full Registration)に替えるつもりのある人もいます。ですからあなたのその犬が素晴らしいクオリティと性格を持っているとブリーダーが感じたら、登録の形式を替え、相応しいスタッドドックを選ぶ手伝いをするでしょう。その犬のブリーダーにしかこうした変更はできないのです。

(注:上記の制限制度は、やみくもな繁殖をストップさせるという意味において非常に画期的な制度だと思います。残念ながら繁殖の実情がアメリカと酷似している日本において同様の制度はありません)

どうやって責任あるブリーダーを探せばいいのですか?


まずは独学をして下さい。犬種についての本を読んで下さい。ドックショーやハンティングテスト、フィールドトライアル、または訓練競技会に顔を出し、ラブラドールの出陳者に話しかけて下さい。電話などでブリーダーと話し、すでに犬を譲渡された人達と話をする時間をたっぷりとるようにして下さい。多くの責任あるブリーダーはこれまでブリーディングをしてきた際の子犬の購入者のリストを持っているでしょう。そして普通は新聞の広告などには載せてはいないのです。
多くのラブラドールのブリーダーはホビーブリーダーであることを思い起こして下さい。その人たちは、「商売」ではないし、ブリーディングが職業ではありません。そして犬のブリーディングでお金が儲かる人はほとんどいません。これは犬種の為の愛の仕事です(Labor of love)。自分の友人や隣人と接するようにブリーダーと接して下さい。

全ての基準をすっかり満たすブリーダーは見つからないかもしれませんが、こうしたガイドラインがあなたにとって一番の子犬や状況を見つける手助けになるはずです。あたなたの探索にエールを送ります。そしてラブラドールと楽しんで下さい。あなたが費やす時間と苦労は十分に報われるはずです!

以下にお勧めの本をあげます。
The Art of Raising a Puppy by the Monks of New Skete.
1991.ISBN 0-316-57839-8
How to Raise a Puppy You Can Live With by Rutherford and Neil.
1981. ISBN 0-931866-09-x
The Versatile Labrador Retriever by Nancy Martin.
1994. ISBN 0-9944875-31-9

Written by Vicki Blodgett
Reprinted from The Labrador Connection by NLRC